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残業時間の上限60時間、実現するか?

また労働関係で面白い記事が出ていたので紹介します。

headlines.yahoo.co.jp

「働き方改革」で残業時間の上限を月60時間、年720時間にするようです。現在36協定の特別条項で「特別な場合には残業時間を延ばすことができる」という労使協定がほとんどの会社で結ばれており、事実上残業時間は無制限になっています。

今までがひどすぎただけに、60時間に制限するというと一気に緩くなったような気がしますが、元々36協定では45時間が上限に設定されていることを考えるともっと少なくできるんじゃないのかな、という気もします。

新しい指針の下で残業時間は本当に減るでしょうか?

詳細を見てみると明らかにおかしな点があります。それは「繁忙期は月100時間まで残業を認める」という点です。現在厚生労働省は①「月の残業が100時間であること」と②「80時間の残業が2-6か月続くこと」を過労死ラインとして設定しています。

企業が繁忙期を理由に月に100時間の残業を架した時点ですでに①に抵触します。さらに翌月に60時間の残業を架した場合、②にも抵触します。ここまでは働かせていいよ、と政府が過労死ラインまで働かせるお墨付きを与えたようにしか見えません。

仮に新しい指針に従って従業員に残業をさせたとして、従業員がうつ病を発症した場合、「政府の指針に従って残業を架したから、うつ病と残業に相関性はない」なんて論法がまかり通ってしまうのではないでしょうか。

せっかく残業時間の上限を規制する、という目標を立ててもこのような例外を作るべきではないと思います。36協定に特別条項を作ったのと同様に、抜け穴を作ると意味がなくなってしまいます。

ちなみに100時間の残業ってどういうものでしょうか。10年近くも前ですが、私も新入社員のころ100時間ぐらいの残業をやったことがあります。家に着くのが11時を過ぎるとシャワーをして一日が終わりです。日常生活は本当に家と職場だけの往復だけになって、仕事のために生きているゾンビのような状態です。もう絶対にやりたくない経験です。今はどうか分かりませんが、丸の内では当時、不夜城と呼ばれる会社がいくつもありました。当時の私の取引先の担当者は激務ゆえに心身を壊して2年の間に3人変わりました。100時間の残業ってそういう世界なんです。

先進国の政府がこれを認めるって、日本の労働環境ってどうなってるんでしょうね・・・。しかもこれでも前より良くなったというから驚きです。もう一律例外なく30時間を上限として設定すればよいと思うのですが。

さらに、もう一つの問題点は表には上がってこないサービス残業です。実際にどの程度の企業が対象になるかは分かりませんが、私自身の体験からいって、サービス残業は世の中に横行していると思います。建前としては「調べもの」だとか「自己啓発」という形にして実際はバリバリ業務をやっているとか、自宅に仕事を持ち帰る、などのケースです。残業時間の上限を超えた分はサービス残業、となるのが今の時点で目に見えています。こういったものを厳しく規制していく必要があります。

それにしてもサービス残業をさせたことに対する雇用主の罰則が緩すぎる気がします。例えば大企業、トヨタとしましょう。トヨタの社員がスーパーで万引きをすればテレビで名前も報道されて懲役解雇になるのではないでしょうか。

サービス残業は従業員に与えるべき賃金を与えないという点では窃盗と同じようなものと思いますが、これで大々的に問題になったというケースはほとんど聞いたことがありません。なぜか企業がやることに対しては法は緩いんですよね。

ですから政府はサービス残業の実態を見ること、さらに罰則を強化してどんどん取り締まりを行うべきだと思います。「サービス残業」という名称も従業員が進んで無償奉仕したように聞こえるので、「賃金不払い労働強制」など、もっと実態を表した言葉に置き換えるべきだとも思います。

一応は残業時間の上限設定で良い方向に動くと信じたいです。後は社内の非効率、無意味な業務、中身のない儀礼的なサラリーマンルール(「いつもお世話になります」、「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」とかの挨拶。電話は3コール以内に取る、様と殿の使い分け・・・etc)を一掃すれば残業時間ももっと減らすことができるはずです。企業は自発的には変わらないものですから、こういったのも政府に主導してもらう必要があるんでしょうかね。何とも情けない話ですが・・・